恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
あと少し。
あと少し……。
白い息を吐きながら、おまわりさんの家を目指した。
あっ、おまわりさんの車がある!
ってことは、おまわりさん居るかな?
冷たい風を避けるように下を向いて歩いていた私。
けど、おまわりさんの車を目にした途端に視界が広くなった。
会いたい。
おまわりさんに会いたい。
胸を弾ませた時、広くなった視界の中でもう一台の車を見つけた。
あの車……さっきの……。
立ち止まった私の目に映ったのは、おまわりさんの家の横に駐車した赤い車と
その車から降りてきた女の人だった。