恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「先生、何か用事があって外に出てたの?」
「え? ああ、仕事が片付かないから、コンビニで夕飯買うところだった」
「教師って冬休みも忙しいんだね」
「まーね。俺も学生に戻りたいよ」
椅子に座って伸びをした先生のお腹からグルル~って音が聞こえて、私は持っていたバックを先生に差し出した。
「先生、よかったら食べて」
「ん?」
「おかずはないけど、美味しい稲荷寿司が入ってるよ」
「えっ、マジで!?」
急にお腹を空かせた子供のようになった先生は、嬉しそうにバックの中を覗き込んだ。
「本当に良いのか?」
「うん、いいよ」
「サンキュ! じゃあ、遠慮なく」
こんな子供っぽい先生の姿、初めて見たかも。
私は「美味しい」と言いながら頬張っている先生の姿を見つめていた。