恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「いいよ!」
「良くない。返すよ」
「いいってばっ!!」
おまわりさんの手を押し返して強がった。
苦しい。苦しいよ……。
俯いた私に、冷静なおまわりさんの言葉が向けられた。
「俺、持ってても困るから」
私の中で何かが崩れた。
「――そんなこと言うなら捨てちゃいなよっ!!」
おまわりさんの手から掴んだネックレスを遠くに投げ捨てた。
もう終わり……
これがこの恋の終わり方なんだ――。