恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「うっ……」
プールの中に入ると、体中がガタガタと震えて歯までカタカタと音をたててる。
やっぱり無理。保健室で休ませてもらおう……。
数メートル先にいる鈴木先生に向って歩き始めた。
けど、足を動かしても全然先生に近づけない。
水の中にいるせい? 体がやけに重い……。
「先……生……」
やっと動いた唇からは小さな声しか出てこない。
お願い、先生……私に気づいて……
意識がもうろうとしてきた中で、鈴木先生が『青木っ!!』って私の名前を呼んでくれたような気がした。
先生……
……助けて……