恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「バカだね、私……」

「……本当に、バカだな」

「もぅ、そこまで言わなくてもいいでしょ?」

「どうして俺のところに来なかったんだよ」

「え……? だってあの時、先生が最後だからなって……」




顔をあげた瞬間、力強い温もりが私を包んだ。




――先生?








硬直した私の体は、すっぽりと先生の腕の中にあった。



「アドバイスのためじゃない……。
俺のところに来いって言ってんの」








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