恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
階段を上り、長い廊下をゆっくりと歩く。
頭上の窓から太陽の光を浴び、立ち止まって空を見上げた。
もうすぐ春の訪れを迎える綺麗な水色の空。
終わりと始まりを迎えるこの日の空を、ちゃんと覚えておこう……。
教室の扉を開けると、机に腰を掛けて先生が私を待っていた。
「おっ、来たか……」
「うん。来たよ」
いつもよりピシッと髪を固めて、普段着てないスーツをかっこよく着こなしてる先生。
小さく微笑んだ先生に、私も小さく微笑み返した。
胸の中がずっとドキドキしてる。
今にも破裂しちゃうんじゃないかってくらいの心臓の音が体中に伝わっていた。
教室の扉を閉めて、私は先生の居る場所へとゆっくり歩きだした。