恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「私ね、自分のためにもおまわりさんから離れようと決めたんだ。
今のままじゃ、きっとまた誰かに頼らないと恋が出来ない。そんな弱い自分が嫌だから」
強くなりたい。
痛みや不安を恐れない
真っ直ぐな強い気持ちで恋がしたい。
だから私
おまわりさんからも先生からも――
「頼ることって、いけないことかな……?」
突然、先生が独り言のように呟いた。
「え……?」
「俺はそうは思わないけどな」
先生の言葉に目を丸くした。
だって、人は強くならなきゃ前に進めないでしょ?
誰の肩も借りずに歩きだそうとする勇気がないと前に進めないよ。
それに、先生は私に頼られて辛かったでしょ?
だから時折あんな悲しい瞳をして……
「俺は良いと思うよ。
人ってさ、誰かに頼ることで絆が深まったり、何かあった時には許し合える気になれない?」
「え……」
「俺はもっと頼ってほしい」