恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
嘘嘘嘘――!!
あの噂は本当だったってこと?
それも、その生徒は先生のお姉さん。
「だからだよ……。だから尚更生徒の青木に気持ちをぶつけることなんて出来なかった。
俺のせいで姉貴みたいな思いをさせたくなかったから」
先生の真剣な顔と静かな声に、私の胸は熱くなった。
「青木の気持ちがこっちに向いてないこともわかってたからってのもあるけど、やっぱり好きな子を苦しませたくないだろ」
恥ずかしげもなくそんなことを口にしてしまえる先生は、本当に私のことを考えてくれてたんだ。
自分の気持ちよりも、何よりも私のことを大切にしてくれてた……。
嬉しすぎて鼻のてっぺんに熱が帯びてくる。
今にも涙腺のネジが緩んでしまいそうで、私は笑顔をつくり先生に言った。
「先生、ありがとう」