恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
『あのね、こんなこと美樹に言っていいのかわかんないんだけど……警察学校で、変な噂があるんだ』
「噂……?」
思い詰めた智子の言葉に、私は眉をしかめた。
噂って一体どんな……?
『美樹のお父さんが関わった事件、まだ未解決だよね?』
「うん」
『その事件、警察関係者が組織に関わってるんじゃないかって……』
組織と警察官が……?
『だから、事件の捜査がすすんでないんじゃないかってね……』
捜査がすすんでない?
確かに、最近お父さんの所に警察関係者が来ることが少なくなった。
けど、それは必要な情報をお父さんが全て話したから、そう思ってた。