恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
『一部の噂だし、警察内部の情報ってわけじゃないから、気にしなくていいと思うんだけど……』
「うん……そうだよね」
『ごめんね、余計なこと言って』
「ううん、ありがとう。拓也くんに、頑張ってって伝えてね」
『うん。じゃ、おやすみ』
電話を切った後、携帯電話を握ったまま考えた。
お父さんの抱えていた事件、
もうすぐ解決するって言ってたにも関わらず、事件は解決しなかった。
それどころか、お父さん達が突入するのを知っていたかのように、爆破が起きて……
これって、内部の情報が漏れてたから?
だから、今も未解決のまま……
ううん、そんなことない。
お見舞いに来てくれたお父さんの仲間や部下たちが、一生懸命捜査をすすめてくれてるはず。
自分たちのメンツや罪の隠し合いなんて……
頭をブンブンと振り、余計なことは考えないようにした。
お父さんと一緒に働いている人たちが、そんなことをするはずがない。
ないない。ない――。