恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
浅い眠りのまま朝を迎えた私は、普段どおりに朝食を食べて身支度をした。
「お母さん、最近お父さんの職場の人たちがお見舞いに来てないみたいだけど、私がいない時に来てるの?」
「ええ、時々ね。どうして?」
「事件が解決しそうなのかなって思って……」
今まで家では事件のことをあまり口にしなかった私が、朝から事件のことを口にして、お母さんは一瞬驚いた表情を見せた。
「さぁ、どうかしら……具体的なことは何も聞いてないからわからないわ」
「そっか……」
警察官や被害者の家族でも、詳しい捜査の進展を聞けるわけではない。
けど、もしかしたらと思っていた私は、肩を落とした。
智子にはああ言ったけど、やっぱり気になる。
事件に関心があるのはもちろんのこと、
お父さんがこんな酷い目に合ってるんだから……。
お父さんを思うと、考えずにはいられなかった。