恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「正直、昨日の美樹には驚いたよ」
「え?」
「おまわりさんに言ったこと……」
小さく微笑んだ一哉の瞳に、鼓動が高まった。
「驚いたけど、嬉しかった」
真っ直ぐに私を見つめる一哉は、真っ直ぐ私の心に話しかけてる。
私は、その瞳から目を逸らさずに生きていこうと思った。
「私……一哉が思ってるより、私は一哉のこと好きだよ」
私が口にした言葉に、一哉の表情は人形のように固まった。
「おまわりさんのこと……一哉と一緒に居たら忘れられると思う。だから……」
「もう一回言って」
え……?
一哉の声が、私の言葉を遮った。
そして、もう一度一哉は同じ言葉を口にした。