恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「美樹、もしかして何も考えてなかった?」
「え……ううん、何もって訳じゃないけど……」
考えたことがなかったわけじゃない。
いずれはそうなるんだろうなって……
けど、今がその時だなんて、正直思っていなかった。
「美樹?」
智子が私の顔を覗き込んでることに気づかず、声をかけられて智子が間近にいることに気づいた。
「え、何?」
顔を上げると、心配そうに私を見ている智子がいる。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。智子が急に変なこと言うからだよ~」
笑って話す私を、智子は疑いの眼差しで見ていた。