恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
夕暮れ時に、一哉のマンションのベルを鳴らした。
昼間、智子に言われたことが気にならないわけがなくて……
ドキドキしてる。
そんな私の気も知らない一哉は、笑顔で部屋に招き入れてくれた。
「適当に座ってて。もうすぐ支度できるから」
「うん」
初めて見た一哉のエプロン姿。
体育の先生がエプロンだなんて……
クリーム色のエプロンを着けている一哉が、なんだかとてもかわいく見える。
「出来たー!」
しばらくすると、キッチンの方から嬉しそうな一哉の声が響いた。
私はその声に振り向き、アツアツのオムライスを運んできた一哉に微笑んだ。