恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
初めての温もりが体を包み込み、そっと温めてくれる。
火傷しないようにと、
優しく、優しく……
感じた事のない吐息と鼓動が、目に見えないところで何度も交差する。
痛みと共に手を握ってくれた一哉の優しさに、体の奥が熱くなった――。
初めは意地悪で厄介な先生だと思ってた。
こんな先生に気に入られたら、他の生徒の目が怖いって。
けど、今は何も怖くないよ。
何も怖くない。
一哉の優しさの中にいるから……。
ずっと一緒にいたいって思ってるから……。
一哉の想いの波に包まれた私は、涙を落とし、ゆっくりと瞼を閉じた。