恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「俺は離さないよ。離さないし、アドバイスもやらない」
「一哉……」
「言っただろ? アドバイスはあれが最後だって。
決めるのは美樹。……美樹自身だよ」
一哉は微笑んで、流れ落ちた涙を優しく拭ってくれた。
一哉……
優しすぎるよ。
「今、俺のこと優しいって思ってるだろ?
それは大間違い。優しくして、美樹を苦しめてるの」
悲しいくらいに明るい笑顔を見せた一哉は、本当に素敵な人。
こんなにも私を大切にしてくれてる。
傷つけないようにって……
勇気を出せって……
願いを込めて決断させてる。