恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「私……おまわりさんのこと、全然わかってなかったんだ……」
「そうじゃないわ。あの状況で、美樹さんが誤解するのは当然だった。
それよりも、自分の車でこの家に来た私に問題があったの。ごめんなさい」
私は涙を堪えながら名取さんに首を振った。
「おまわりさんと離れてる間、おまわりさんがとても遠い人に思えてたんです。
だけど、本当は違ったんですね……」
「ええ、彼はいつも美樹さんを想ってたわよ。
いつも美樹さんを見守ってた」
堪えていた涙が、頬を伝って手の甲に零れ落ちた。
別れてからの毎日
とても辛かった。
私だけが辛い思いをしてるんだと思ってた。
だけど違ったんだね……
おまわりさんは、
苦しんでいる私を
変わっていく私を
いつも見守っててくれた。
ごめんね、おまわりさん……。