恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「素敵な人?」
「ええ、律儀で優しくてあったかい人よ」
「どうして会ったばかりなのにわかるの?」
「それはね……美樹ちゃんも会えばわかることよ」
「ふふふ」と笑い合う二人の姿に首を傾げた私は、お母さんが温めてくれた味噌汁に口をつけた。
今日はなんだか変なの……。
久しぶりに過ごす家だから?
だからかな……?
どこか狂った歯車が元の戻ろうとしているような、すれ違っていくような……。
言葉にならない感覚が、体の中で生まれていた。