恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
あの人、ずっと遠くの空を見つめてる。
ふふ、きっと感動してるんだね。
もしかして、おばあちゃんたちが言ってた新しい警察官ってあの人……?
気がつくと、私はその警察官から目を逸らせなくなってた。
どうしてだろう……。
知らない人なのに、目が離せない。
何かを求めるように、胸の上のネックレスのリングに触れた。
私、やっぱりおかしい……。
おかしいよね……?
会ったこともないのに、こんな気持ちになるなんて……。
手の中にあるリングを握った瞬間――
「あ……」
彼が振り返り、視線が重なった。