恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



うわわっ、目が合っちゃった。

どうしよう……。



目を泳がせた私に、彼が口を開いた。



「こんにちは」


「こ、こんにちは……」




にっこりと微笑んだ彼の瞳が細くなる。


私は何故か不思議な気持ちで微笑み返した。





「今の、見てた?」


「え……?」


「桜」


「あ、はい。凄く綺麗でしたね」


「うん」




どうしてだろう……。


彼の優しい声と瞳に、私の心が一瞬高い音をたてた。






私……


この人のことを知りたい。










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