恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「なんだよ……これ……」
突然聞こえたおまわりさんの声。
目の前に立っているおまわりさんに、私の顔は硬直した。
「どういうこと?」
数メートル先で私の顔を見つめ、硬い表情で口を開くおまわりさんに、
私は声を出せなかった。
「俺のこと、からかったの?
昨日俺が憧れの警察官の話したから……?」
違う……
違うよ――!!
私は首を横に何度も振るだけで、何も言い訳できなかった。
「違います! これは――」
智子が青ざめた顔で言い訳しようとしたけど、おまわりさんは何も言わず背中を向けて歩きだした。
おまわりさんを止めに行こうとする智子。
私は泣きながら智子の腕を引いた。
「美樹……?」
悔しくて
悔しくて
おまわりさんを傷つけた自分が許せなくて……。