恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「それじゃあ、明日ね。
拓也くん、今度ゆっくり会おうね!」
みんなに笑顔で手を振った。
その手を戻したとき、掌に書かれたアドレスが目に入り胸がぎゅっと痛んだ。
ずっと知りたかった
おまわりさんのアドレス。
やっと手に入れた
おまわりさんのアドレス。
だけど、
けして掛けることのない
おまわりさんのアドレス……。
家に帰った私は、熱いシャワーでアドレスを洗い流した。
溢れるばかりの涙と
おまわりさんへの想いと一緒に……。