恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「こっちおいで」
二つの机と椅子が置いてあるのに、鈴木先生は私を窓辺によんだ。
なに……?
進路の話するんじゃないの?
窓の外を見ている鈴木先生の隣に並び、外の景色を見た。
「うわぁ、綺麗……」
私の目に映ったのは、
真っ青な空に綺麗なアーチを描いている虹。
虹見たの久しぶりだな……。
気がつくと、私は空を見上げて頬の筋肉が緩んでいた。
「その顔――」
「え?」
「その顔見たの一週間ぶりだよ」
鈴木先生の言葉が、張り詰めていた糸をプツンと切った。
気がつくと、
私は優しく微笑む先生の前で、ためらうことなく泣いてた。