恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


どこにいくの……?


ゆっくりと風に乗って落ちていく花びらに視線を向けていると、

視界の中に濃い紺色の制服が入り込み、私の目に止まった。



そして、私の掌にあった花びらも、私の視線の先に舞い降りた。



なんだ……
警官の肩に落ちちゃうなんて最悪。


見慣れた紺色の制服の後ろ姿。

交番の横に止められたパトカーの窓を拭いてた警察官が、肩に落ちた花びらを手に取った。



その時、背中を向けてた警察官が振り返り、

優しく花びらに微笑みかけ……



私の胸の中は


何故がキュンっと音を立てた。




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