最低彼氏。


『早く夏になんねーかなー』

蓮のため息まじりに吐き出す声。


『気が早い。』


軽く蓮の頭を叩く。


『もうすぐじゃん。』


だったら言うな!!


そしてアタシの頭を叩いた。


一瞬、記憶が飛ぶ。


10倍返し…。


女の子の、それも彼女の頭を本気で殴るか!?


『へへへっ!俺様を殴るなんか100年…1000年早い!』

高らかに笑い背の低いアタシを見下げた。


…というか蓮が背が高いだけ。


『女の子を殴るか?』


『冬に腹巻きしてる奴はオッサンや。』


『くぅ…。』


蓮には決して勝てません。
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