夏の想
「あ、琉璃、待たせてるんだった…」


タタッと、軽い足取りで、通学路を走る。


中学生の頃、陸上部だったんだ。


今は帰宅部だけど。


まぁ、部活に行かなくてもいいならいっか。って感じで入ってない。


「るぅーりぃー!!!」


琉璃は私に気づいたようで、くるっと振り向く。


「はぁっはぁっ。疲れたー!暑いー!」


【チュッ】


琉璃は、私の頬にキスをした。


「!!!」


「へへっ。隙あり」


琉璃は、ニコッと笑った。


私も、ニコッと笑った。


「ねぇ、聞いてなかったけどさ」


私は、琉璃と手を繋ぎながら聞く。


「んー何?」
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