夏の想
「琉璃ってきょーだい、いるの?」


「いるぜー。姉ちゃん。超ウゼー奴。由璃って言うんだけど」


「へぇー。由璃さんかぁ。琉璃と似てる」


「超嫌なんだよ」


「そうなのぉ?まぁ、でも、姉と弟とか、兄と妹とかで似てたら嫌だね」


「もっと違うほうがよかったなぁ、俺」


とか言いつつ、琉璃はそんなに嫌そうな顔じゃなかった。


今日は、学校ではそんなに特別なことはなかった。


「はぁー!もうそろそろ5時じゃん!」


私は、キャリーケースをガラガラ引きながら、☆☆公園に行った。


「夏芽―?」


後ろから、凄く懐かしい声がする。


まぁ、でも、今日、話をしたけどね。


「お母さん―」


「久しぶりね?夏芽。大きくなって。本当に懐かしい。目なんて、一つも変わってない」


「お母さんだって。全然変わってないね?」


「そう?夏芽、私の家へ行きましょう」


「うん」
< 103 / 114 >

この作品をシェア

pagetop