夏の想
「お父さん、ママ!?」


「夏芽…」


「なっちゃん…」


「どうして…?今更何!?私が、どんなに傷ついたか知らないくせに、いきなり何よ!!!…帰って。私、あの家に帰るつもりないから。ないから!!!!!」


私は、走って階段を上った。


そのときは、もう半泣き状態だった。


「あの子は、凄く傷ついているの。もう、これ以上、あの子の傷に、塩を塗るようなこと、しないで!」


「真桜…」


「真桜さん…」


あ、そうそう、私のお母さんの名前は、真桜。真実の真に桜と書いて、真桜。読み方は、マオ。


私は、結構マオって名前、スキなの。


お父さんと、ママ、今更来たって意味ないし。


私の心は変わらない。


あの家に、帰る気はない。
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