夏の想
『寂夏~Jakunatsu~』
~寂夏~

寂夏。


それは、寂しい夏。


春芽
無題

ご免な。
お前は、こんな俺のことを
きらいだと思ってた。
でも、今度からはちゃんと
目も見て話すから、
きらいにならないでくれ。


ぶっきらぼうな、でもどこか優しい、そんな文章だった。


その文章を見て、嬉しかった。


階段を降りてきた、春君は、私の目を見てくれなかった。


寂しい、その思いが強くなった。


嬉しかったはずなのに………。


早足で、階段を上って、部屋に行った。


鍵を閉めて、ベッドにダイブ。
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