夏の想
二人で歌ったりするのはオッケーなんだけど…。


「どーしたのっ?歌わないの?ナツは」


話しかけてきたのは、栄田君だった。


「栄田君も歌わないの?」


「栄田君とか、変な感じ!エイでいいって」


「じゃぁ……、ェィ…」


「聞こえなぁーい」


「イジワルッッ!」


「ははっ、ご免ご免。聞こえてるよ」


「私、歌うの苦手だもん。楽器のほうが好きだから」


「そっかぁ。俺と同じ。俺も歌うの苦手。あ、俺、ちょっとお菓子とって来る!」


「ナツっ」


「ヒロ!ヒロは、気になる人いた?私ね、いたよ」
< 32 / 114 >

この作品をシェア

pagetop