夏の想
ママは、化粧品会社の社長。跡取り。まぁ、ママのお母さん、つまり、おばあちゃんが、その化粧品会社の前の社長だったって訳。


で、おばあちゃんがやめると、誰もやる人がいないから、ママがやるの。


でも、ママは、毎日帰ってきてくれる。


ってことで、私たちの家は、かなり裕福だと思う。


学校は、普通の、市立。


なんか、私立って、苦手なんだ。


雪ちゃんも、市立。


ママも、お父さんも、市立で許してくれてるからいいんだ。


「さあ、雪ちゃん、用意して?」


「うん!」


雪ちゃんの服は、私が選んだ。


これでも、私、服を選ぶセンス、あるんだ。


「なっちゃんが選ぶ服、カワイイー!」


そういうと、雪ちゃんは、白い歯を見せて、にかっと笑った。


「ありがとー」


そういうと、私は雪ちゃんを連れて、家を出た。


「遅くならないようにね!車に気をつけるのよ」
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