夏の想
そういうと、琉璃は私の肩をそっと掴んだ。


そして、ゆっくりとベッドに倒す。


それから、優しいキスをしてきた。


スッと私の制服の、リボンに手をかけた。


ビクッと私の体がはねる。


「っっ……。琉璃、待って…。まだ、私、まだ駄目だよ…」


「っ、ご免…」


そういうと、琉璃はベッドを降りて、少し遠くに座った。


私は、向こうに行ってしまったのが悲しくて、下唇を軽く噛む。


そして、ベッドから降りると、琉璃の元へのちょこちょこ歩いていった。


向こうを向いていた琉璃の背中にギュッと抱きつく。


「琉璃…。さっきのは少し、怖かったけど、そっちに行かないでよ…。怖い…。不安だよ…」


琉璃は、少しずつこっちを向いて、私をギュッと抱いた。


琉璃の腕は大きくて、私の体はすっぽりと入ってしまうくらいだった。

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