夏の想
「なっ、ばっ、しねえよっ!!!」
訳何っ、バカっ、しねえよっ!!!」


「アハハ。面白いね?琉璃のお母さん」


「え、うっとおしいだけじゃん。あんなん」


「そんなことないよー?」


「ってかお前、マジで家出?何があったわけ?」


「あのね…、私、アリサとおそろいでブレスレット買ったの。でね?それを雪ちゃん…、義妹がほしがっちゃって…、勢いあまって手ぇ、叩いちゃったの。で、義妹が泣いちゃって、義母がきてさ、私の頬、平手打ち。で、義妹には一言も怒らないで、私ばっかり…。もうイヤになっちゃってさ」


やっぱり、義理の娘は愛してくれないんだね?


ねぇ、ママ。私、ママのこと許さないよ?


もう、ママだなんて思わない。


義母だね。嫌い。大嫌い。


ありえないよ。平手打ちとか。


平手打ちされるようなことしてないんですけど。みたいな。


「はぁ?その、親、サイッテーだな。そんなんで平手打ちとか。義母だからって許されねぇよ」


「有難う。琉璃。私、大丈夫だよ?」


「そう、か?」


「うん!」
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