天の涙、太陽の花

今日の天気予報を見て来たにも関わらず、雨傘など持って来ていなかった。毎日上司に車で送って貰っていたので、必要ないと思ったからだ。


まさかこんなことになるなんて……


傘をささずに土砂降りの中どこに行くわけでもなく、人波に揉まれながら歩き回っていた。

なんであの人奥さんいるの？
どうして私も気付かなかったんだろ…
テキトーに遊ばれてたんだな…

どんどんとわき出て来るマイナス思考。

気がつくとスーツはびしょ濡れでヒールの中なんて濡れたスポンジを踏んでいるような状態になっていた。

もうさすがにこれ以上雨に当たっていたら風邪を引いてしまうだろうと、視界に入った新宿駅の改札口で雨宿りしようと思った。


「はあぁ……」

もう誰も通らない券売機の前に座り込んだ途端、大きな溜め息が漏れた。

あたし何でこんなことしてんだろ…馬鹿みたいだなぁ。

「ホント、バカみたい」

思っていたことがつい口から出てしまった。明日も会社に行かなければならないかと思うと憂鬱で仕方がない。
「明日日曜日になんないかな…」


無理な願いごとを呟き、うでの中に顔を埋めた。





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