**confection**
「……なあ、もも」
「え!?なに!?」
…やっぱなんか変……。
ドアノブに手を掛けたまま、開けようとしていたドアを開けないまま、ももを振り返る。
そのまま部屋に入ってくもんだと思っていたらしいももが、驚いたように目を見開いた。
「なんか…静かすぎねえ?」
「う…ん?そうだね…みんな宗太のおじさん達の所でも行ったのかな?」
何だろう。なんかめちゃくちゃ違和感があるんだけど…でも、その理由が何か分からない。
ももがやっぱり変なのは分かったけど…なんか腑に落ちねえんだよな〜。
それに靴は人数分あったんだし、来てない訳じゃねえし。
「中、入らないの?」
「…あ〜、うん」
導くように諭され、気になりながらも腕に力を込めた。
その瞬間、
『るぅ、誕生日おめでとー!!!!』
「!?」
ガチャリと音をたてて開かれる視界に、足を踏み入れようとした瞬間、見事に俺は後ずさりしたのだった。
なんかうるさい破裂音(間違いなくクラッカー)がして、いろんな色の糸が飛んできたと思ったら(やっぱり間違いなくクラッカー)ドアを囲むようにしてズッコケメンバーが満面の笑みで待ちかまえていたんだ。
『………。』
「………。」
全員、笑顔でフリーズなのはきっと、あまりにも俺の反応が期待外れで、しかも小さかったからだろう。