**confection**
こんな時にまで女の話かよ……。
そりゃあ、女に興味を持つ年代だし分かるけどよぉ……。
「何でって…美人じゃね?彼氏居るのかなあ…」
うっとりしたような声に、げんなりする。
んな事直接聞けばいーだろ!!
……とは言えなかった。
何だかももが、他の奴らと楽しそうに会話をする所を想像すると、……面白くねえ。
「あ〜…知らねーな」
「そうかぁ…モテそうだしなぁ…」
俺の一言で浮いたり沈んだりするこいつは、誰だ??
結局名前を思い出せないまま、退屈な全校集会が終了した。
あの大阪人(仮)は、途中から担任によって最後尾へと並べられていた。
何だかももにちょっかいを出していそうだなと思ったが、そう言えばワタナベさんが居た事を思い出して何故かホッとした。
何で俺が心配しなきゃなんねーんだ?
とは思ったが、深く考えないようにした。
どうせ担任の目が光っているだろうし、振り返ったら後ろの奴らと目が合うのも何だか気恥ずかしかった。
来た時と同じように、前のクラスからゾロゾロと体育館を退場する。
上級生は座らされたままで、品定めするような目つきがうっとーしい。
時々下級生の女子なんかに声を掛ける姿が、同じ男として何だか腹が立った。