**confection**
「…私?」
龍雅のセリフに、笑いを引っ込めたももがポカンとしながら龍雅を見つめた。
「うん、ももちゃん!!」
「えっとーももでいいよ」
この際呼び名はいいから、早く答えてくれ!!
なんて思い、自分がももの答えが気になっていると言う事にハッとする。
「私もいないよ」
「おーし!!仲間だー!!」
……ふーん。居ないんだ。
ももの答えを聞いた途端、ハッとした事も忘れて嬉しいと思った。
ちょっと待て…嬉しい……?
嬉しい……おや〜?
「宗太もいねーしなぁ!!俊お前もだろ?」
「え?ああいないよ」
何だ、みんな寂しい奴らだな。
……て俺も同じか。
どうしてこう…こーゆう恋バナってみんな好きなんだろう。
「美春ちゃんは?」
龍雅の言葉に、何故か顔を俊へと向けた美春は、顔を真っ赤にさせて慌た様子で両手を顔の横で振っている。
「えっ?い、いないいない!!」
「好きな奴いたりするの?」
思いっきり否定する美春が面白くて、ついそんな質問をしてしまった。
「えっ……え〜っとぉ?」
ちょっと意地悪だったか?
そんな事を思いながら、顔を金魚のように更に真っ赤にさせた美春に、思わず吹き出しそうになる。
「うっ!!っえぇ?」
そんな俺の横腹を、少し強い力でこつかれて予想もしなかった事に体が大きく反応した。
こつかれた方を見ると、渋い顔をしたももが目に入り、やっぱり意地悪だったか。なんて少し反省した。
……わき腹よえーんだよ。