**confection**
「お待たせしました〜」
「待ってましたー!!!!」
タイミング良く店員が現れ、隣の美春が小さく溜め息を吐いた。
俺って…空気読めてねえ?
ま、いいや。
沢山の料理が並べられ、いただきますとみんなで食事を始めた。
朝から意味の分からない視線に翻弄され、体育館で立ったり座ったりもしたし、何だかんだで腹ペコだった。
さすが食べ盛りの集団ともあって、山盛りのライスなんかも男は全員お代わりなんかしていた。
「…もう食えねーの?」
「え?う〜ん…予想以上に量が多くて……」
「…ふーん…んじゃあ俺が食う」
「えっ」
顔も体もちっちぇーけど、中身までちっちぇーのか。
そんな事を考えながら、ももの目の前のプレートと自分のプレートを入れ替えた。
自分のはもうすっかり綺麗に食べきってしまっていて、取り替えたもものプレートにはまだフライ何かが丸々残ってたりする。
何の気もなしに口に放り込むと、視線を感じて目を向けた。
「ん?」
「…まだ入るの……」
ポカーンと口を開けたももが、驚いたように俺を見ていた。
「ふぉふぉふぉーふぉ」
「何言ってるかサッパリ分かんないし口入れすぎ」
「ふぉう」
そんなに驚く程食ってるか?全然普通なんだけど………。
「すげーな…松風」
「ふぉう?」
「どんな胃袋してんだよー!!」
…だって残したらもったいねーじゃん?まだ入るし。
確かに口に入れすぎた。飲み込めねえ。
いつまでも口をもぐもぐさせる俺を、みんなが笑って見ている。
何だよ、笑うなよ。入れすぎたんだよ。