**confection**



いや、でも、美春はどちらかと言えば可愛い部類に入る。


綺麗とかはももの方だと思うし。


初めの印象は、笑いもしないイメージだったし、パッと見は可愛いと言う印象を持たなかった。


笑うと…まあ可愛いんだけど。



「……っう…っ」



ボーっと自分の思考に浸かっていた俺に、また隣からわき腹をこつかれた。


何なんだよ…だからわき腹は弱えーんだよ。


「ねえ、何か言って」


「………はっ?」


コソコソと言うももに、思わず間抜けな返事を返してしまった。


さり気なく体を寄せたももに、少しドギマギしながらも首を傾げて耳を向けた。


「…何て」


「何か!!」



何か…って……えぇ〜…。


ふわりと香るももの甘い香りに、胸がグッと詰まるようだ。


く、苦しい……。何だコレ!!


心なしか、顔も熱いし脈が速い。


………風邪か?



「ねーってば」



あーっ!!もお何だよ!!

俺は風邪なんだよー!!!!



「み、美春でいいよな?美春は〜どんなのがタイプ?」


そう言った俺に対してなのか、隣から小さな溜め息が聞こえてきた。



「美春?美春は好きになった人がタイプ」



そこは俊の特徴を言っとけよ!!



とは言えない。


「…へぇ〜」



誰か何か言ってくれ。一緒にへぇ〜なんて納得してんなよ。


「短髪?長髪?どっちが好き?」


「え?…うーんと」



ナイスな宗太の一言に、もうももにわき腹をこつかれないで済む。とホッとした。
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