**confection**
「ま、まあいいじゃねーか。気にしなくていんじゃね」
「う〜んまあね?るぅちゃんが近くに居れば、何か大丈夫そうだよ」
そんな事を言うももは、ふわりと可愛らしく笑って見せた。
同時に、胸がドキッと高鳴り、やっぱり俺は身を固めるはめになる。
一体何なんだよ……俺、本当におかしくね?
「ありがと!!そろそろ戻ろっか?」
「…ん?あ、あぁ、うん。そうだな」
スッと立ち上がったももを見上げてから、視線を目の高さまで戻した。
目の前には、スラリと惜しげもなくさらされたももの細くて白い足があり、更に身を固めるはめになってしまった。
血管が透けてしまうんじゃないか、と思える程に白く、でも病的ではない健康そうな肌の色に、思わず生唾を飲み込んだ。
「…るぅちゃん?行こうよ」
「あ〜!!うん!!行こう!!そうしよう!!」
「……大丈夫?」
うん。大丈夫じゃねえ!!!!
勢いよく立ち上がり、ももと目も合わせる事もできないまま、数段の階段を駆け上がった。
バクバクと全力疾走しているような心臓と、顔が熱くなっている事が分かり、どうしようかと思ったがどうしようもない。
後ろからは、ももが「変なるぅちゃん」なんて言いながら付いてくる。
変か?やっぱり俺って変なのか??
俺……まじでどうしちまったんだ……?
振り返る事もできずに、クラスの扉を大きく開けた。
「ぎゃはははは!!まじで俊うけんだけど!?」
「龍雅うるさい……」
思わず開けた扉を、勢い良く閉めたくなった。