**confection**



「ま、まあいいじゃねーか。気にしなくていんじゃね」


「う〜んまあね?るぅちゃんが近くに居れば、何か大丈夫そうだよ」



そんな事を言うももは、ふわりと可愛らしく笑って見せた。


同時に、胸がドキッと高鳴り、やっぱり俺は身を固めるはめになる。



一体何なんだよ……俺、本当におかしくね?



「ありがと!!そろそろ戻ろっか?」


「…ん?あ、あぁ、うん。そうだな」



スッと立ち上がったももを見上げてから、視線を目の高さまで戻した。


目の前には、スラリと惜しげもなくさらされたももの細くて白い足があり、更に身を固めるはめになってしまった。



血管が透けてしまうんじゃないか、と思える程に白く、でも病的ではない健康そうな肌の色に、思わず生唾を飲み込んだ。



「…るぅちゃん?行こうよ」


「あ〜!!うん!!行こう!!そうしよう!!」


「……大丈夫?」



うん。大丈夫じゃねえ!!!!



勢いよく立ち上がり、ももと目も合わせる事もできないまま、数段の階段を駆け上がった。



バクバクと全力疾走しているような心臓と、顔が熱くなっている事が分かり、どうしようかと思ったがどうしようもない。



後ろからは、ももが「変なるぅちゃん」なんて言いながら付いてくる。



変か?やっぱり俺って変なのか??


俺……まじでどうしちまったんだ……?




振り返る事もできずに、クラスの扉を大きく開けた。



「ぎゃはははは!!まじで俊うけんだけど!?」


「龍雅うるさい……」



思わず開けた扉を、勢い良く閉めたくなった。
< 37 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop