**confection**
呆れたように言ったのは、フワフワした頭の宗太だ。
確かに、笑い声は下品だし、でかい。
うるさいってモンじゃねえ。耳障りだ。
「るぅちゃん?入んないの?」
「うん。……いや!!入るけど!!」
普通にうん。なんて答えてしまったが、慌て否定しながら教室内へと足を進めた。
「あ、おはよー!!!!」
背中を向けていたはずの龍雅は、まるで背中にでも目が付いているんじゃね?と思わせるようなタイミングで振り返った。
「みんなおはよ〜」
「お、来てたのかあ。はよーす」
「おはよー」
ももの言葉に、宗太と俊が続けて挨拶をした。
「どーしたの」
「あ、いや…」
いつまでも扉の前から動かない俺に、下から覗き込むようにしてももが見上げた。
クリクリの大きな瞳に、またドキリとする。
まじで何なんだよ。俺の心臓…まじで勘弁してくれ。
俺がもたねえよ!!
「ふーん?るぅちゃんって、本当に変わってるね」
そう言いながら、俺の腕の下から抜け出すようにして、ももが教室内へと入っていった。
簡単にくぐり抜けてしまったももに、半ば呆気にとられながらも、思わず笑いを漏らしてしまう。
いやいや、ももの方が変わってるって。