**confection**
何だかそわそわとしたももとは対照的に、気分がモヤモヤとする。
何なんだ〜このスッキリしない感じは〜。
溜め息が自然と出そうになり、グッと飲み込んだ。
その瞬間、隣のももが少し興奮したように、俺の制服の袖をギュッ引っ張り、小さく声を上げる。
「あっ、来たっ!!」
…可愛い。
素直にそう思った。
袖ギュッはねーだろう!!何だよソレめちゃくちゃ可愛いじゃねえかよ!!
何なんだお前は何者なんだ!!
「えー!!!!美春どーしたあ!!!!」
「うわ、すっげえ似合う」
弾かれるように意識をそらされ、視線を上げる。
龍雅と宗太、それに顔がほんのりと赤い俊の視線をたどり、そこに行き着くと驚きに身を固めた。
……えー!?
「おっはよー…」
照れたように言う美春は、長かった昨日までの髪をバッサリと切り、とても可愛らしいショートになっていた。
多分、普通に見ても可愛かったんだけど、ショートがよく似合うために本当に可愛いとまで思う。
…なるほど。俊がショートの方が可愛いと言った意味が分かる。
それにしても、恋ってすげえ。
と言うか、恋する乙女はここまで変わるんだ。
いやいや、本当にびびった。