**confection**
……。
『ええぇぇぇ〜〜〜!!!!』
俺達の驚きの声に、教室内がしんと静まり返る。
え?えぇっ?
ちょっ…………え?
えっ?
えー!!!!!!!
誰もそれ以上、言葉を発する事ができなかった。
多分、俺以外の全員が、同じ事を思ったに違いない。
知り合って何時間目?
「俺…、美春が好きだ。付き合ってほしい」
「…しゅ…ちゃ…」
「俺、返事待ってる」
「俊ちゃん…俊ちゃんが好き!!」
『…………。』
どんなに安っぽい恋愛映画やドラマでも、恋愛するまでの過程がある訳で。
恋をする事で、片思いの心境や、すれ違い。トキメキ。切なさ。ライバルや同士、友達や仲間。
そーいう過程を経る事で、相手への気持ちを確かなものにしていく。
でも、俺は間違っていたみたいだ。
そういった固定概念を鵜呑みにしていただけで、結局は当人たちの意志だけで恋愛なんて自由にできるもんだ。
でも……、でも、コレってどーなん?
俺は、やっぱり鵜呑みにしていただけなのか?
俺は、間違っていたのか?
間違いなんてないのかもだけど。
何だか物凄く、間違っていたような気分だ。