**confection**
「美春は私の…憧れかな」
憧れ…?
憧れるってなると…具体的に、その人物にそう言う自分が憧れる物があって、自分にはない物を持っているから憧れる訳で。
運動や勉強、それ以外にも、人間性なもんだったりで、自分よりも優れていたり、適わない。いつかは追い付き追い越したい。そんな目標になったりで。
でも、その相手のそういった部分を認めているからこそ、妬んだり皮肉になったりもせず、憧れになるわけで……。
って俺、理屈っぽいな。
「俺からすれば、ももは周りから憧れの目で見られてると思うけど……」
と言って、一瞬で後悔した。
ももが、周りからどんな目で見られているか(男に限るけど)、意識されるかもしれないと思うと、後悔に苛まれる。
……ん?待て待て。
後悔…??
「私に憧れる…?」
訳の分かっていないらしいももに、慌てて被せるようにして言葉を繋げる。
何で俺、後悔してんだ?焦ってんだ?
周りの目に…気付いてほしくないんだ……?
「うん、ちっちぇーし、チビだし、ちっちぇーし?」
「なにソレっ、私には身長が低い事しか取り柄がないみたいじゃない」
「…ねえ?」
「ねえ?…ってさらに肯定しないでよ」
とりあえず無理やりにでも、話をそらせてホッとする。
…んん??だから何でホッとすんだよ!?
何だかこれじゃあ、俺がももを好きで独り占めした……い………………
…………………。
「ちょっと、るぅちゃんシカト?」
「………。」
……すき?
「…本当にるぅちゃんって性格悪いよね」
……すき?