**confection**
俺が……好き…?
ももを…すき………。
「!!!!」
驚愕の事実に行き着き、思わず口元を手で覆った。
「え…どうしたの?顔…赤いけど…体調悪い?大丈夫?」
心配そうに声を掛けてくるももの声が、頭の中で木蓮する。
耳に蓋をして、頭の中に閉じ込めてしまったみたいで、そんなももの声に一瞬酔いそうになる。
何も答えない俺を心配したのか、ももがそっと俺の腕に触れる。
その瞬間、弾かれるように体を遠ざけた。
えっ………。
「あ…ゴメン…」
一瞬驚いたような顔をしたももが、誤魔化すようにそう言うと、苦笑いする。
触れた手を引っ込めると、自分の体の前で握りしめている。
その笑顔は、無理矢理に口元を持ち上げたような笑顔で、申し訳なさに苛まれる。
「や…違うんだ…ごめん、その」
しどろもどろになりながら、どう言葉を発すればいいかさえ分からなくなる。
なんだ?これ?
俺一体どうしちまったんだよ。
「ちょっとびっくり…しただけだから、その…ゴメン」
心臓が、バクバクと暴れている。
自分の意志とは関係なしに、その存在を主張するように鼓動する。
いっそのこと、自分の胸を裂いて、ソレごとどっかに放り投げたくなる。
「そんなに…るぅちゃんが謝らなくていいのに」
今度こそ、ふわりと笑ったももに、息をのむ程切なくなった。