**confection**




俺が……好き…?


ももを…すき………。



「!!!!」




驚愕の事実に行き着き、思わず口元を手で覆った。



「え…どうしたの?顔…赤いけど…体調悪い?大丈夫?」



心配そうに声を掛けてくるももの声が、頭の中で木蓮する。


耳に蓋をして、頭の中に閉じ込めてしまったみたいで、そんなももの声に一瞬酔いそうになる。



何も答えない俺を心配したのか、ももがそっと俺の腕に触れる。


その瞬間、弾かれるように体を遠ざけた。



えっ………。



「あ…ゴメン…」



一瞬驚いたような顔をしたももが、誤魔化すようにそう言うと、苦笑いする。


触れた手を引っ込めると、自分の体の前で握りしめている。


その笑顔は、無理矢理に口元を持ち上げたような笑顔で、申し訳なさに苛まれる。


「や…違うんだ…ごめん、その」



しどろもどろになりながら、どう言葉を発すればいいかさえ分からなくなる。



なんだ?これ?

俺一体どうしちまったんだよ。



「ちょっとびっくり…しただけだから、その…ゴメン」



心臓が、バクバクと暴れている。

自分の意志とは関係なしに、その存在を主張するように鼓動する。


いっそのこと、自分の胸を裂いて、ソレごとどっかに放り投げたくなる。



「そんなに…るぅちゃんが謝らなくていいのに」




今度こそ、ふわりと笑ったももに、息をのむ程切なくなった。
< 46 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop