**confection**



え〜っと……ま〜ま〜ま〜ま〜……あった。



後ろから6番目かあ。


松井、松江、松浦、松尾、松岡、松風……やけに松が付く奴多いな。


自分の名前の頭から、ずらーっと前へと並ぶ松と言う文字に少し驚く。


そして、自分の後ろに続く名前を、何となくじっと目で追った。


三池、三浦、美江田、持田、唯ノ瀬、渡邊……。



唯ノ瀬……唯ノ瀬もも?



珍しい名字と、やっぱり最後はワタナベさんかあ。なんて思いながら、唯ノ瀬と言う名字に目が止まる。



…もも………。



どんな奴だろ。女か?女だよな。



自分の身近な者と同じ名前で、一気に興味が湧いた。



でけえか?黒いか?頭に白いライン入ってねえか?



なんて相手には失礼な事を考えながら、掲示板を後にして校舎へと踏み入れた。






独特な香りが、鼻を掠める。



学校って、だいたいどこも同じ匂いなのか?



そう思った途端、キツい香水の香りがムッとした。



……やっぱちげえ。





やたらと長い廊下と階段に、外見だけでも分かる程バカでかい校舎に、絶対に迷子になる自信が持てた。
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