**confection**
圧倒的なオーラと言うか、ももには人の目を引くモノがある。
こんなに小さなクセして、どうしてこうも人を虜にしてしまうのだろう。
このまま仲良くお友達でやっていくか…いや、やっていけるか。
それとも、気持ちだけでも伝える?
……俺が?
まさか。
そんな夢物語、よく考えたもんだ。
何のためにここまで来たんだ。俺にはそんな資格なんてねえ。
俺には…そんな煌びやかな未来なんて、もったいなさすぎる。
自分の恋心に気付いてすぐに、諦めろと言う俺の中の誰か。
その正体は、本音には違いないのだけど、そんな簡単にいかないのが人間てモンだ。
初めて感じる様々な感情に、俺も人間らしい所あるんだな。なんて他人事のように思え、そんな考えに笑いがこみ上げてくる。
ももと言う1人の女で、俺は今まで考えた事もない事を、云々と今のこの瞬間まで考えてきた。
どんなけ人格に影響するんだ。脳内の変な分泌物め。
何も言わず、そばに居るだけでも許されるだろうか。
そばに居たい…もっと、笑顔が見たい。声が聞きたい。
じっと見つめていた先に、ふと視線が絡まる。
ギアをチェンジした心臓が、途端に暴れ出す。
そんな中、ふと視線の絡んだももが、フッと笑う。
えっ………。
今度は、急ブレーキをかけたかのように、ギュッと縮む俺の心臓。
どうしようもない程のチキンハートを、俺は抱えてしまっているのかもしれない。