**confection**
ももの言葉にビクリとした龍雅が、俺と宗太でキョロキョロと視線を泳がせる。
当然、そんな龍雅に俺も宗太も呆れるような顔をするしかない。
「えっ!!俺ダメだった!?」
「もお!!そんな事サラッと言わないでっ」
顔を赤く染めたももが、恥ずかしそうに視線を伏せる。
まあ…そうだよな。
普通に言えちゃう奴も居れば、こう…ももみたいな奴だって居るだろうし。
でも、こう言った見極めが難しいのはぶっちゃけ本当だし。
これからもっと時間が経てば、普通の会話にすら様変わりするのかもしれないけれど。
「ごーめんって〜!!いや、ただ純粋にももを心配しただけで…」
珍しく慌てる龍雅に、少々同情する。
確かに、下心や意地悪で言った口振りではなかったし、本当に心配してか…まあ、何も考えてなかっただけだろう。
「それは分かった。ありがとう。でも、みんなにバレちゃうのは恥ずかしい」
こー言うとこ、素直に女の子らしいなんて思ってしまう。
普通に大声で、休みの間に繰り広げられる生理用品の貸し借りのやり取りを、堂々としている奴なんかよりよっぽど女の子らしい。
なんつーの?やっぱだらしないと言うか…聞こえてくるだけで何だかげんなりするから。
「おう!!分かった!!これからはもっとおしとやかにするぜ!!」
「おしとやか…?まあ、いいけど…。はい、この話はおしまい!!!」
おしとやかの意味が俺にも分からないけれども、確かにここで区切っておくのは賢明だろう。
何だかまた一つ、知らないももを知ったような気がした。