**confection**
相変わらず小さなももに、俺はどうしようもない程お節介してしまう。
笑顔が見たくて。
はにかんだような、あの笑顔が見たくて。
そうかあ…生理なのか。
俺は男だから、大変さなんて分かんねーけど。
でも無理は良くないんだよな?
自然と心配になってきてしまい、思わずじっとももを見つめる。
でも、何も言えない。
俺も龍雅みたいに、最低って言われるのも嫌だし……。
午後も続けて運動をするため、今もみんなジャージ姿だ。
すっぽりと手の指先まで隠れてしまっている、もものジャージ姿。
当然、初めて見た時は、胸が高鳴ってしまった訳だけども。
「まあ…ももはあんま無理すんなよ」
「う、うん…ありがとう」
宗太の労いの言葉に、少し頬を赤くしてももが答える。
そんな様子を、龍雅がじっと見つめる姿が目に入る。
人間観察でもしてんのか?
何の気なしに見つめていた俺は、口にしたパックジュースのストローを口に含みながら、様子を見る。
そして、思い切り飲み物を吹き出しかけた。
「やっぱり…生理来ちゃうと、身長止まるのか…?」
やたら真面目に言う龍雅に、今度こそフォローなんてできる自信はなかった。