**confection**
「るぅちゃん?体調悪いって大丈夫…?」
「……あ?」
体調…?
突然背後から掛けられた声に、機嫌も悪く声を出してしまい、ハッとする。
うっ…もも…。
「あ?ってなによ。あ?って」
「えっ?あ…いや…気が抜けてて…ごめん」
眉を寄せたももが、少し怒ったように俺を見つめる。
まさか声を掛けられるなんて思ってなくて、すっかり気が抜けていた。
謝る俺に対して、怒ったような顔をしたももが、ふっと表情を緩める。
「なに?頑張って走って気持ち悪くなっちゃった?」
「だ、大丈夫…」
「本当に?俊ちゃんが、るぅが気分悪いみたいって言ってたから」
「………」
なるほど。そーゆう事か……。
チラリと俊を見ると、何やら栗本と一言二言話し、こっちへやって来る。
それを追うように視線を向けた栗本と、自然と目が合う。
何とも面白くなさそうな、そんな顔。
まあ、当然だろう。
それとは対照的な、俺の心。
安心と言うか、何というか…ほっとした感じ。
「あ、ゴメン。龍雅の間違いだった」
「え?るぅちゃんじゃなくて、龍雅?」
「うんそう。ほら」
そんな俊の言葉に、龍雅を見ると、相変わらず何も話さないまま俯いた、何とも違和感のある龍雅が座っていた。
「あ〜…ホントだ。重症だね」